舞台『少女ヨルハVer1.1a』感想

12月6日にニコニコ生放送にて配信された、舞台『少女ヨルハver1.1a』を見ましたので、感想を書きたいと思います。
ちなみに、こちらの舞台は2018年に上演された、舞台『少年ヨルハver1.0』を元に登場人物を少年から少女に変えた作品で、ヨルハシリーズ最新作にして最後となるものです。

どんな物語かといいますと――
遠い未来、地球は異星人の侵略を受け、月に逃れた人類にかわって地上ではアンドロイドたちが、異星人の放った機械生命体たちと戦っています。
そんな中、戦闘に特化した新型機体ヨルハが造られます。
男性型が中心のヨルハたちの中、正式採用が決定した女性型の他に、実験部隊F部隊が編制されます。
これは、そのF部隊に配属された七人の少女たちと彼女らを率いる教官、そして三人のレジスタンスたちの物語です。

――というわけで。
まずは、舞台になっているのが、廃墟と化した東京(渋谷や新宿など)で、このあたり、なかなかリアルでよかったと思います。
あと、セットがとにかく、素敵でした。
背後に見える巨大な月がステキだったし、上方に映像で展開される風景もよかったし。
両脇にある建物の上部に役者さんたちが立てるようになっているのもよくて。
特に、後半の輸送機のシーンは、全体に雲の流れる映像が映し出されて、役者さんたちが立ってる位置にライトが当たっていて、すごく幻想的な雰囲気があって、とてもきれいないいシーンだったと思います。
また、ここでの9号と2号の会話がなんかすごく、こう胸に来るんですよね。
ゲーム『ニーアオートマタ』での、商業施設での2Bと9Sの会話を彷彿とさせる部分もあって、その意味でもぐぐっと来てしまうというか。
一方で、情景がめっちゃきれいなだけに、なんか見ていて、本当にせつなくなりました。

キャラクター的には、4号が一番かっこよかったですね。
クールで理知的な雰囲気で、コスチュームもすっきりした感じだったし、髪サラサラのストレートで、雰囲気にも合った外見でした。
3号との関係も好きでした。
生配信で見た時は、最後の二人が戦うシーンは、少年の方が好みというか萌えたな~と思ったんですが、タイムシフトで見ると少女版のもよくって、性別変わっても、3号と4号の関係性に萌えるのは同じなんだ……と改めて思ったことでした(^^;
そのあたりは、6号に関しても同じでしたね。
少年版の時、私、けっこう6号好きだったんですが、今回も最初からクライマックス……じゃなくって、最初から壊れている6号の、ウィルスによる壊れっぷりがなんかもう、すごくて、いやいやいや、さすが6号だよ~と思いながら見てました。
2号はTwitterとかで写真を見た時から、「なにこれ、リアル2B?」って思ってたんですが、舞台のを見たら、ほんとに2Bみたいですごかったです。
この2号と、自分だけが守られることにコンプレックスを持つ9号の組み合わせが、またまたなんか、こうぐっと来てしまうんですね。
二人のやりとりは、上記の輸送機内でのシーン以外でもすごくよくて。
きれいだけど悲しい……なんか、そんな感じでした。
21号と22号の二人も、最後まで目が離せない感じでした。
一方、レジスタンスの三人組は、少年の時と同じく、お笑い担当的な役どころでした。
ただ、隊長は少年版に較べて若くてきれいな分、ちょっとギャグ担当にしとくのはもったいないな~とも感じました。

演出ですごいと思ったのは、最初に書いたセットの他に、実際に機械生命体を出しちゃったところですね。
丸い飛行する形態のやつを、今回はアンサンブルの方たちが頭上に持ち上げて飛行させてて、え、すごい! って思いました。
あと、最後の方の水辺での3号と4号のシーンで、3号が水辺を歩く足音がちゃんと水音になってて、しかも足の動きとぴったり合ってて、これもすごいと思いました。
そういえば、輸送機が墜落した千葉県の遊園施設廃墟って……某巨大遊園地ですよね(爆)。
あれは、見た途端に笑ってしまいましたが……設定的には違和感なくて、しかもセットがまた好みで、あれはあれでよかったです。

ところで、この舞台の最後には以前の少年版にはなかったシーンが加えられています。
9号たち七人がバンカー内の教室で学生のようにはしゃいでいるシーンなんですが。
私は最初、このラストを夢とかもしも的なシーンなのかな……と思ったのですが、よく考えればこれって、再フォーマット後の彼女たちってこと……ですよね?
再フォーマットされた彼女たちは、こうして女学生のような日々をここで過ごして……でもまた、今度はスキャナータイプとして戦場に駆り出されて行くことになる……。
そういうことなのかな、と。

生放送を見終わったあと、ふと思いました。
今までの舞台ヨルハやゲームも含めて、ニーアシリーズは本当に魂の物語なんだなと。
死と再生を繰り返しながら、ただ必死にもがき、あがきながら生きて、生きて行く人々の物語なのだと。
改めて、『ニーアオートマタ』というゲームに出会えてよかったと強く思いました。
そして、ヨルハシリーズを、『少女ヨルハ』を見られてよかったと。

すばらしい舞台を、本当にありがとうございました。

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