『NieR;Automata FAN FESTIVAL 12022 壊レタ五年間ノ声』感想

 去る11月25・26日の二日間にわたって、ゲーム『NieR;Automata』の5周年イベント『NieR;Automata FAN FESTIVAL  12022 壊レタ五年間ノ声』が行われ、ニコ生にてそちらを視聴しましたので、感想を書きたいと思います。

今回のイベントは、前半のトークパートと後半のコンサートパートの二部構成になっていました。
前半は約1時間ほどで、開発スタッフの短いトークと、声優さんたちによるコミカルな朗読劇で構成されていました。
開発スタッフは、ファンにはおなじみの斎藤さん・ヨコオさん・岡部さん・田浦さんの四人に、ゲストとしてレプリカントの伊藤さんと、リンカネの松川さんがそれぞれ参加してました。
声優さんは日替わりで、石川由衣ちゃん、花江くん、安元さんなど、これまたおなじみの面々が登場し、ニーアシナリオチームが作ったという、おちゃらけ朗読劇と、ゲーム内の映像をつないだごく短いドラマのアフレコをやって、私たちを楽しませてくれました。
対して後半のコンサートパートは、アンコール部分も入れて2時間半ぐらいですか。
音楽の生演奏と、シリアスな朗読劇で構成されていました。
朗読劇の内容は、ゲーム3周目のバンカーが爆発し、いろいろあって2Bが死んだあとから、9Sがレジスタンスキャンプで目を覚ますまでの間の出来事でした。
ただ、これについては記録も記憶も残っていない、という設定です。
――ということで、ここからはコンサートパートを中心に、感想を書きたいと思います。

まず音楽ですね。
相変わらず素晴らしかったです。
このコンサート用にアレンジされてまして、よりロックな感じというか、かっこいい感じになっていて、冒頭からすごく惹き込まれました。
今回は演出を、『音楽劇ヨルハ』などでおなじみの松多壱岱さんがやっていたこともあってか、全体に舞台っぽい感じで、音楽もそういう感じのアレンジなのかな、とも思いました。
バンカーが爆発するところから始まって、その雰囲気をそのままに『崩壊ノ虚妄』、『美シキ歌』と続いたあとに、朗読劇が始まります。
ニコ生で配信されたのは、26日夜の部だったので、朗読劇は9Sが主役です。
商業施設前の橋が切れて落ちて行くシーンから始まり、不思議な空間でのポッド042や魔王ニーアとの出会いが描かれます。
一方、同じように不思議な空間で目覚めたA2は、エミールやママと出会い、空間からの脱出を目指して先に進んで行きます。

朗読劇は相変わらずというべきか……なんともせつない内容で、見ていて辛くなってしまいました。
最後、シークレットで石川由衣ちゃんが登場し、9Sは2Bと会うことはできました。
けれど、すでに義体もなく、自我データもかろうじてかき集めてここにいるだけの2Bは共に行くことはできません。
結局彼らは2Bを置いて、その空間を出て行くしかありませんでした。

このシーンのあと、音楽と共にスクリーンにテキストが現れるんですが……これがまた、2Bの、徐々に意識が消えて行く前の心の声って感じになっていて(文章が途切れ途切れだったり、途中、同じ文字を何度も入力し直したりと、めっちゃ芸が細かいんです!)、もう見ていて、うわ~って感じです。
なので、アンコールで6Oと21Oが2Bの自我データを保存するシーンにはめっちゃホッとしましたし、スクリーンに映し出されたEエンドのラストの映像に、「ああ、そうだった」とめちゃくちゃホッとしたのでした。

オペレーターといえば、今回この二人を演じている声優さんたちが出演していたのも驚きました。
開演前とかにオペレーター二人のやりとりが流れてはいたんですが、てっきり録音だと思っていたので、声優さんたちが出て来た時は、これまたおお~って感じでしたね。
それから、A2役の諏訪彩香さんが出ていたのも、うれしかったです。
生のA2って、やっぱり見たいし聞きたいじゃないですか。
あと、諏訪さんの発言から、アニメにもA2が出るらしいとわかって、そっちも安堵しました。
アニメ情報に、全然A2が出て来ないので、まさか出ないの? と思っていたんですが、そういうわけではないようです。よかったよかった。

歌の方は、相変わらずエミさん、ジュニークさんの歌声がすばらしくて、感動でした。
今回参加されたKOCHOさんもきれいな歌声で、素敵でした。

そんなわけで、すごく楽しめた2日間でした。
声優さんたちのコメントにもあったように、この先もまた10周年、20周年と、祝うことができればいいなと思ったことでした。
素敵なイベントを、ありがとうございました。

映画『犬鳴村』感想

 先日、Amazonプライムにて、映画『犬鳴村』を見たので、その感想を書いておきたいと思います。
以下、ネタバレが含まれますので、これから見ようと考えている方は、ご注意下さい。

映画は、心霊スポットとして有名な犬鳴村をモチーフにして作られたホラー作品です。

映画『科捜研の女 劇場版』感想

Amazonプライムにて、『科捜研の女 劇場版』を見ましたので、感想を書いておきたいと思います。

劇場版で描かれるのは、洛北医大の教授・石川礼子の死をスタートに、日本と海外で起きた四人の研究者らの不審な死と、それを科学の力で解明しようとする榊マリコをはじめとする科捜研のメンバー、そして刑事たちの物語です。

劇場版ということで、映像もきれいでしたし、なかなか見応えのある内容でした。
中でも際立っていたのは、微生物学者の加賀野亘を演じた佐々木蔵之介でした。
蔵之介は、最近ではテレビドラマ『ミステリと云う勿れ』にゲスト出演した時の演技がすごいと取沙汰されていましたが、この映画でもやっぱりすごかったです。
作中では一番怪しい人物で、そのため、土門さんやマリコさんとも手に汗握るやりとりが多かったわけですが――殊に終盤のマリコさんとのやりとりは、めちゃくちゃ迫力がありました。
彼の登場シーンは全体的に緊張感があって、見ているこちらも息を詰めて見入ってしまうという感じだったんですが、その空気はまさに彼によって生み出されていたといっていいと思います。

あと、加賀野の研究室の双子の院生、森奈々枝と森友希枝もいい感じでした。
というか、私はこの二人、見た途端に衣装も相まって、舞台『音楽劇ヨルハ』に登場したヨツバとフタバを想起してしまいました。
同じ髪型、同じ衣装、慇懃なマニュアルっぽい話し方などなどが、私にヨツバとフタバを思い出させました。
そういえば、加賀野の研究室は、ちょっと特撮ヒーローものの悪の組織の基地内っぽいなあとも感じました。
なんというか、『東京にある大学の一画』というイメージからは、異質な雰囲気だったのです。
そして、このあたりも、加賀野とその研究室の人々に「なんか怪しい」という印象を視聴者に植え付けるのに、ひと役かっていたように思います。

それから、この映画では、過去にマリコさんと関わりのあった人たちが次々と登場して、その点はお祭りっぽくて楽しかったです。
最後の最後、ワンカットだけでしたが、マリコさんのお母さんも登場して、ちょっとびっくりしました。
(マリコ母役を演じていた星由里子さんは、2018年に亡くなっています)
そして、父に元夫に元上司に元部下を使いまくるマリコさんが、相変わらずで、このあたりも面白かったです。
まあでも、彼らの協力により、次々と新しい事実が浮かび上がり、事件の真実が見えて来るのでした。

終盤の、加賀野とマリコさんのやりとりから清水寺のあたりまでは、本当に見ていてドキドキしました。
加賀野とのやりとりのあたりでは、「いやこれ、絶対、マリコさんわざと彼を挑発してるよね」とは思ったものの、そしてたぶんこれは囮……とは思ったものの、やっぱりドキドキものでした。

にしても、今回怖いなと思ったのは、凶器となったダイエット菌ですね。
映画ではまだ一般に出回る前の、研究者間でのやりとりだったので、死亡者は四人で済んだわけですけど……これが一般に販売されてたらと思うと、ちょっとぞっとします。
私たちは、「〇〇にこういう良い効果がある」と言われると、ついつい飛びついてしまいます。
また、売られているものなら、危険性はないだろうと考えてしまいがちですが……開発者が、あるいは販売者が、その危険性を知らなかったら、あるいは知っていても隠していたら……と考えると、やはり怖いなと思いました。

映画では、犯人逮捕後にマリコさんからダイエット菌の危険性について言われた加賀野が、危険のない方法で実験を行っていたと抗弁します。
けれど、実験のため、森奈々枝は半年間も加賀野の言う「危険のない方法」でダイエット菌を飲んでいました。
半年間も……と驚く友希枝に加賀野は問題ないと返すものの、彼らの目の前で奈々枝はひどい頭痛を訴えて倒れるのでした。
結局、「安全な飲み方」とは言っても、半年続ければ危険だった――というわけで、事件そのものもですが、こうした一見無害そうなものに潜む危険についても、考えさせられてしまいました。

あといくつか、印象に残ったことを書いておきます。
まずは、洛北医大の助教・秦美穂子ですね。
彼女は映画公開後のドラマの方でも出て来るんですが――まるで警察が白いものを黒いと言って加賀野の研究を頓挫させたかのようなことを、言ってました。
映画の方でも、土門さんたちに「先生の邪魔をしないで」みたいなことを言ってて、うわーと思ったんですが。
彼女にとっては、自分が尊敬する加賀野の研究が成功しさえすれば、人が何人死のうと問題ないようで、そこが怖いなと感じました。
加賀野は、美穂子に更に輪をかけた感じで、『マッドサイエンティスト』って言葉を体現しているなと思いました。
それから、清水寺の紅葉、めっちゃ綺麗でした。
ここのシーンは、緊迫する場面でありながら、たぶんこの映画で一番美しいシーンでもあって、うまく持って来たな~って思います。
これを見たら、ほんと、紅葉の時期に京都へ、清水寺へ行きたくなっちゃいますね。

というわけで、感想でした。
素敵な映画を、ありがとうございました。

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