過去からのエール

先日から、もう何年も整理していない机の引き出しを、一つ一つかたずけています。
突然仕事を辞めることになって、時間ができたのと、どうせかたずけるなら寒い時よりは、まだ暑い方がましかなと考えてのことでした。

で、今日もやはりそれをやっていたわけですが――。
友人たちからもらった手紙や、同人誌の感想類を整理していて、ある友人からのものに、思わず泣けてしまいました。
それは、私がちょうど同人誌の厚さや値段について、当時は一応友人だった人からあれこれ言われて落ち込み、同人誌全てを厚さや印刷費用に関わらず、全て無料で配ることに決めたころのものだろうと思います。
手紙の主である友人は、そのことについて自分の思うところを述べながらも、最後に私が自分の望む環境で気持ちよく創作活動ができることを願っている、というようなことを書いてくれていました。そしてまた、当時書いていたシリーズものを、最後まで書き続けて完結させてほしいとも。

その友人以外にも、当時出した同人誌の感想や、私が見舞われたトラブルについて意見や励ましを書いてくれた手紙がたくさんあって……。
なんというか、それらは過去の私に対して向けられた言葉なのに、今の私を励ましてくれているような、そんな気がして。
最初は、懐かしさで読んでいたのに、最後には何かこう、胸が熱くなってしまいました。

同時に、これまでのネットでの自分の活動のしかたは、ちょっと間違っていたのかもしれないなという気持ちにもなりました。
サイト上での無料公開のものはともかくとして、有料で販売しているものについては特に。
貧乏になって、少しでもお金のほしい状態ではあったとはいえ、結局私はお金のことしか考えていなかったんじゃなかろうかと。

紙の同人誌は、完全に赤字でした。
イベントに出たのはたった一度きりでした。基本は通販のみで、雑誌の同人誌案内に運よく載せてもらえたら、ぽつぽつ申し込みがある程度。
結局、紙の同人誌を出すのをやめた時に、在庫はほとんどゴミに出してしまったので、印刷代の半分も回収できてない状態だったと思います。
それでも、上記したクレームが来るまでは、ただ手に取ってもらえるだけですごくうれしかったし、感想をもらったり、シリーズものの最初の巻を買ってくれた人が続きも買ってくれたりしたら、それこそ天にも昇るような心地でした。
ネット上でだって、買ってもらえたり感想もらえたりしたら、それだけでうれしかったはずなのに。
いつしか、売り上げばかり気にするようになって行った気がします。

でも、今日、過去にもらった手紙を読み返して、もうちょっとネットでの活動を見直してみようと考えるに至りました。
 それと、彼女たちともすっかり疎遠になってしまっているので、また交流を復活させることができればいいなあとも思ったことです。

それにしても。
創作活動というのは、少なくとも「他人に見てもらいたい」と考えた時点で、自分一人だけのものではないのかもしれないなあと、今日のことで思いました。
ネットを始めたころ、私は実はもう創作活動はしないつもりでした。
だから、最初に作ったサイトは、マンガ雑誌のレビューサイトだったし、ハンドルも違うものを使っていました。
それが結局は、もとの「織人文」に戻り、二次を始め、そしてオリジナルに戻って行って、今はまがりなりにも「オンノベのものかき」として、ネット上にいます。
それは、自分の中にある「お話を書きたい」という想いだけでできたことではなくて、私のサイトや作品を見てくれて、感想をくれた人々、あるいは交流してくれた人々がいたからこそ、なのかもしれないなあと、改めて思うのです。

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