映画『プレアウィッチプロジェクト2』

少し遅くなりましたが、先日、dビデオにて映画『ブレアウイッチプロジェクト2』を見たので、それについて書きたいと思います。

前作の映画『ブレアウイッチプロジェクト』は、知っている方もいるかと思いますが、魔女の噂を調べに行った大学生たちが行方不明となったあと、その彼らが調べていた場所から発見されたドキュメンタリービデオといった設定で作られた映画です。
たとえていえば、テレビの心霊特番の映像をもっとストイックにしたような作品で、しかも最後は唐突に終わるという、『映画』としてみれば、なんじゃこりゃ? なものでした。
ただ、この映画、その設定そのものを含めて楽しむ作りになっていて、そこを楽しめる人には、なかなか面白い作品だと言えるのではないでしょうか。

で、その続編というか、2作目として作られたこの映画の方は。
前作の映画で有名になり、観光スポットと化したパーキッツビルで、映画の舞台を巡るツアーを計画した青年が、それに応募して来た男女四人と共に、ブレアの森に入り、前作の舞台となったラスティン・パーの屋敷跡で一夜を過ごします。ところが翌朝起きると、自分たちの荷物はめちゃくちゃにされ、しかも夜何があったのか、誰も覚えていないという事態に。
更に、妊娠していた参加者の女性がいきなり出血して病院で流産する騒ぎとなります。
女性が退院したあと一同は、ツアーを計画したジェフの家で宿泊することになるのですが、そこでもさまざまな奇怪な出来事が起こります。
やがて彼らは、ブレアの森で起こった惨殺事件の犯人として逮捕されますが、彼らが無実の証拠だと訴えるビデオテープには、彼らが体験したのとは異なった出来事が記録されていたのでした――。

設定含めての作りとしては、私は1作目の方がよくできていたと思います。
この2作目は、ようするにただのホラー映画で、たとえば実際の心霊スポットとかを題材に映画を作ったような、そういう感じに私には思えました。
映像的には、きれいだし、雰囲気もあるしで、悪くはないと思いましたが。
内容に対しての解釈は、二通りあると思います。
一つは、ジェフたちが体験したことの方が本当であり、ビデオの内容はそれこそ魔女の力によってゆがめられたものである、というもの。
もう一つは、ビデオの内容の方が本当で、彼らは超自然の力によってそれを体験した内容の方にすり替えられていた、というもの。
私は、後者の見方をしています。

もっとも、映像で見る限り、彼らが森で出会った他のツアーの参加者を殺したり、ジェフが自分のツアーの参加者を殺したりしたのは、なんらかの動機があってのことではなくて、たぶん、魔女に乗り移られ、動かされていたからという解釈なのでは、とも思いますが。
というのも、彼ら、作中のビデオの中では裸でいることが多いのですが、その体のあちこちに痣があるのです。
そして、魔女は体に悪魔から与えられた魔女の印の痣があると言われます。
なのでたぶん、これはそういうことなんじゃないのかなと。
何かに体を乗っ取られている状態というのは、いってみれば当人の意識はない状態かあるいは半覚醒で夢を見ているような状態じゃないかと思うのですね。
つまり、映画の中で彼らの体験として出て来るものは、彼らがその夢の中で見たものであって、実際に起こったこととは違っていたと。
で、実際に起こったことは、ビデオという、夢を見ることのない機械の目によって捕らわれ、記録されていたということなのではないかと。
あくまでも、私的な解釈ではありますが。

ともあれ、それなりに面白くはあったけれども……う~ん、まあ、こんなものかという感じではありました。
少なくとも、映画館で高い料金を払って見たいと思えるものではないなあというのが、正直なところです。

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