【初心者のための小説の書き方】ストーリーを作る

今回は、ストーリーの作り方について書きます。
といっても、これも前回書いたとおり、「キャラが先か、ストーリーが先か」によって、若干変わって来ます。
ということで、それぞれ分けて書いてみたいと思います。


【キャラクターを先に作った場合】

キャラクターを作る段階で、キャラクター同士の関係性や生い立ちなど、ある程度必要な情報ができていると思います。
なので、あとはそれらのどこを物語に盛り込んで、どういう見せ方でどう書いて行くのかを考えればいいだけです。

たとえばこれを、『桃太郎』を例にして考えてみましょう。
まず、どのぐらいの長さのものにするのかを考えます。
短編か中編か長編か、あるいは大長編のシリーズものか。
それが決まったら、物語をどこから始めるのか考えます。
おばあさんに桃を拾われるところからか、鬼退治の旅の途中からか。それとも、すでに鬼を退治したところから始めるのか。
始まりが決まったら、終わりを決めます。
どの状態でエンドマークをつけるかを決めるのです。
それが決まったら、間のエピソードを決めて行きます。
キャラクターを考える際に妄想したさまざまなエピソードのうちからどれを使うか、そしてどの順番で描いて行くかを決めるのです。
また、この時に掘り下げたいエピソードやキャラクターなどがあれば、それについても考えて行きます。
これらがだいたい決まったら、それをノートなどに書いておきます。
これを一般的には『プロット』といいます。
プロットができれば、あとは書くだけです。

【ストーリーを先に作る場合】

まず、どんな話にするのかを考えます。
ジャンルを先に考えて行ってもいいでしょうし、何かこんな話にしたい、とかこんな場所や世界を舞台にしたい、というのがあれば、そこから考えを広げて行きます。
同時に、物語の長さを考えます。
短編か中編か長編か、大長編のシリーズものか……といったことを考えます。
ざっくりとしたあらすじが決まったら、それを物語の長さにあてはめて行きます。
短編ならば、さっと流す部分とじっくり書き込む部分を決めてプロットを作ります。
長編ならば、細かいエピソードを考えたり、章立てを考えたりします。
それをノートなどに書き止めて、プロットが完成すれば、ストーリー作りは終わりです。
このあとは、キャラクター作りに取り組みます。

ストーリーを先に作った場合のキャラクターは、ストーリー内の役割に合わせて考えて行くと楽ではないかと思います。
たとえば主人公の成長物語なら、主人公は10代の男女どちらかで、何か克服したい弱点というか弱みがあるとか、ライバルは主人公と同年代で主人公が克服したいものに強い――などといったふうに考えて行くわけです。
もちろんこの場合も、物語上には描かないけれども、それぞれの個性的なエピソードを考えたり、生い立ちなどを考えたりしてキャラクターを掘り下げ、肉付けして行く必要はあります。

【最後に】

ストーリー作りで大事なのは、最初に長さを決めておくことだと思います。
『長さ』によって、書き方というか、書けることは変わって来るからです。
たとえば4000文字程度で、上記で例にした『桃太郎』のお話を書くとします。
おばあさんが桃を拾うシーンから鬼退治をして村に戻ったところまでを書く場合、それぞれのエピソードをあまり細かく書いていると、文字数が足りなくなります。
なので、『見せ場』として書き込むシーンとそれ以外のシーンを決めて書かないといけません。
逆に10万文字もある長編にする場合は、細かいエピソードを重ねて書き込んで行くことができますので、たとえば桃太郎とおじいさん・おばあさんの親子の情愛や、犬・猿・雉との出会いのエピソードなどを掘り下げて行くことができます。
桃太郎一行の旅の途中でのエピソードや、鬼側の事情などを加えることもできます。

初めて書く場合は、頭の中にある構想と文字数がうまく合致しないこともあります。
構想は大長編なのに、実際に書いてみると1万文字にも満たないということもあるわけです。
そうしたことを避けるためにも、まずは長さを決めて、頭の中にある構想をプロットという形でまずは外に出してみましょう。
そうすると、書きたい作品がより鮮明になって自分でも書きやすくなると思います。

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