BD『NieR:Theatrical Orchestral 12020』感想

先日、『NieR:Theatrical Orchestral  12020』のBDが発売されまして見ましたので、遅ればせながら、感想を書きたいと思います。

ちなみにこのBDは、今年の3月に無観客で行われ、ニコ生にて配信されたニーアシリーズ10周年コンサートを録画したものです。

映像も音楽も、本当に素晴らしかったです。
BDを視聴した日はたまたま外で工事が行われていて、その音を遮断するためにヘッドホンで聞いたのですが、そのせいで、それぞれの楽器の音や歌声がどれもよく聞こえ、また没入感もすごくあって、かえってよかったと思いました。
構成は前半がオートマタ、後半がレプリカントになっていて、声優さんたちが朗読する物語の展開に合わせて音楽が奏でられて行きます。
もちろん、背面のスクリーンには映像やテキストが映されているんですが、これが音楽や朗読との相乗効果で、めちゃくちゃコンサートを盛り上げてくれます。
BDでは、テキストが画面の上に表示される部分や、映像が画面一杯に広がる部分などもあって、時にそれらに心奪われ、激しく心を揺さぶられることも多かったです。
前のオケコンのBDと同じく、テキストのみを表示して聞けるバージョンも入っています。

今回、ヘッドホンで聞いていて特にすごいと感じたのが、前半のオートマタの朗読の最後の方です。
ウィルス感染で聴覚を失って行く9S主観のシーンで、どんどん周囲の音(声)が小さくなって行く中で、2Bが9Sを呼ぶ声がずっと聞こえているんですよ。
ニコ生で見た時は気づかなかったんですが、あれ、声優さんはずっと演技を続けていて、マイクの機能で音をしぼって行っているのかなと。
そしてそれが、2Bはずっと呼びかけているんだけど、9Sにはもう聞こえてないんだという、すごくリアルな形になっていて、声優さんたちの熱の強さが伝わって来た気がしました。
なんていうか、彼らは彼らの世界で本当に生きているんだなという感じが、すごくしたのです。

それにしても、改めてこうやって見てみて、やっぱり演奏と演奏の間に拍手のないことが、悔しいとは感じました。
しかたのないことではあるんですけれども。
ただ、この演奏をニコ生で見て、感動していた私たちの気持ちは、そしてまたこのBDを見て新たな感動にひたっている私たちの気持ちは、ちゃんと演奏者さんたちにも声優さんたちにも、伝わっている――と思いたいですが。

あと、ちょっと惜しいなと思ったのは、ニコ生当時の事前トークも収録してほしかったなということでした。
コンサート内でもちょろちょろとトークのことが話に出て来ますし、あれはあれで楽しかったのにな~と思ったのです。

とはいえ、こうしてBDとして発売されて、ずっとあの素晴らしいコンサートを手元に置ける、いつでも見たい時に見られる、というのは本当に素敵なことだと思います。

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