リライトのための発想

仕事を辞めて、創作について考えられるようになったせいか、はたまた先日からの引き出しの整理であれこれ、友人らからの手紙や感想が出て来たせいか。創作の方に頭が回るようになって来た感じです。

6月ぐらい? から、以前のサイトで連載していた『黒の王』のシリーズの続きを書こうと、元は外伝だったものを、本編に組み込む予定で、書き直しをしています。
この作品、異世界の大国の王様だった主人公が、魔法で飛ばされて15世紀のヨーロッパに行き、そこでジャンヌ・ダルクを助けて活躍するというもの。
が、元の作品はなんか主人公がただの脇役と化しているようなもので、いくら外伝だったにしても、これはちょっと……なシロモノでした。
ただ、この話がないと、次の本編――主人公が異世界へ戻ってからの話がわかりにくくなってしまったりするのですよ。
だったら外伝ではなく本編の6話にする形で書き直そう、ということになったわけです。

仕事をしている間は、基本的にはスマートブックを使っている関係上、一旦エバーノートに上げたもとの原稿を読み直し、そこからリライトプランを考えて、新たにプロットを起こし、前の原稿を参考にしながら手書きで書き直しをやってました。で、仕事を辞める前に、序章と1章の下書きが完成しました。
先日からは、ちょこちょこと、それを入力する作業をしてたのですが、今朝になってふと、序章の冒頭部分に、4話の終わりの方の、主人公が敵の女魔道師と戦って、あげくに味方の魔道師にこの時代へ飛ばされるシーンを入れた方がいいんじゃないの? と思いつき。
今日の午後は、そのシーンの下書きをしてました。

で、夕飯の支度をしていてまたまたふと、ファンタジーなんだし、主人公を活躍させるためには、本編同様に、妖魔とか出しちゃってもいいんじゃなかろうか、と思いつきまして。
最初の原稿では、史実どおりにジャンヌの行動を書くのが精一杯といった感じで、イマイチ、主人公をはじめとする架空のキャラにまで気が回らず、血が通ってない感じだったのですね。
しかも、リライト用に作ったプロットも、基本は元の原稿をなぞったもので、視点を多少、主人公よりにしただけという感じで。
それに、前は外伝だったからまだジャンヌが主人公っぽくってもよかったかもしれないけど、今度は本編の1冊となるわけで、だったらやっぱり主人公は彼でなくては、とも思いました。

そんなわけで、明日、もうちょっとそのあたりの設定の見直しなどして、改めてリライト原稿を書こうと思った次第なのでした。

過去からのエール

先日から、もう何年も整理していない机の引き出しを、一つ一つかたずけています。
突然仕事を辞めることになって、時間ができたのと、どうせかたずけるなら寒い時よりは、まだ暑い方がましかなと考えてのことでした。

で、今日もやはりそれをやっていたわけですが――。
友人たちからもらった手紙や、同人誌の感想類を整理していて、ある友人からのものに、思わず泣けてしまいました。
それは、私がちょうど同人誌の厚さや値段について、当時は一応友人だった人からあれこれ言われて落ち込み、同人誌全てを厚さや印刷費用に関わらず、全て無料で配ることに決めたころのものだろうと思います。
手紙の主である友人は、そのことについて自分の思うところを述べながらも、最後に私が自分の望む環境で気持ちよく創作活動ができることを願っている、というようなことを書いてくれていました。そしてまた、当時書いていたシリーズものを、最後まで書き続けて完結させてほしいとも。

その友人以外にも、当時出した同人誌の感想や、私が見舞われたトラブルについて意見や励ましを書いてくれた手紙がたくさんあって……。
なんというか、それらは過去の私に対して向けられた言葉なのに、今の私を励ましてくれているような、そんな気がして。
最初は、懐かしさで読んでいたのに、最後には何かこう、胸が熱くなってしまいました。

同時に、これまでのネットでの自分の活動のしかたは、ちょっと間違っていたのかもしれないなという気持ちにもなりました。
サイト上での無料公開のものはともかくとして、有料で販売しているものについては特に。
貧乏になって、少しでもお金のほしい状態ではあったとはいえ、結局私はお金のことしか考えていなかったんじゃなかろうかと。

紙の同人誌は、完全に赤字でした。
イベントに出たのはたった一度きりでした。基本は通販のみで、雑誌の同人誌案内に運よく載せてもらえたら、ぽつぽつ申し込みがある程度。
結局、紙の同人誌を出すのをやめた時に、在庫はほとんどゴミに出してしまったので、印刷代の半分も回収できてない状態だったと思います。
それでも、上記したクレームが来るまでは、ただ手に取ってもらえるだけですごくうれしかったし、感想をもらったり、シリーズものの最初の巻を買ってくれた人が続きも買ってくれたりしたら、それこそ天にも昇るような心地でした。
ネット上でだって、買ってもらえたり感想もらえたりしたら、それだけでうれしかったはずなのに。
いつしか、売り上げばかり気にするようになって行った気がします。

でも、今日、過去にもらった手紙を読み返して、もうちょっとネットでの活動を見直してみようと考えるに至りました。
 それと、彼女たちともすっかり疎遠になってしまっているので、また交流を復活させることができればいいなあとも思ったことです。

それにしても。
創作活動というのは、少なくとも「他人に見てもらいたい」と考えた時点で、自分一人だけのものではないのかもしれないなあと、今日のことで思いました。
ネットを始めたころ、私は実はもう創作活動はしないつもりでした。
だから、最初に作ったサイトは、マンガ雑誌のレビューサイトだったし、ハンドルも違うものを使っていました。
それが結局は、もとの「織人文」に戻り、二次を始め、そしてオリジナルに戻って行って、今はまがりなりにも「オンノベのものかき」として、ネット上にいます。
それは、自分の中にある「お話を書きたい」という想いだけでできたことではなくて、私のサイトや作品を見てくれて、感想をくれた人々、あるいは交流してくれた人々がいたからこそ、なのかもしれないなあと、改めて思うのです。

映画『仮面ライダーオーズ』

弟のスマフォで、『仮面ライダーオーズ』の映画を見ました。
あばれんぼうの将軍様が出ているやつです。
オーズあたりはまだ、時々ちらちらとテレビも見てたので、多少は誰が誰かとか、それぞれの設定とかもわかっていたので、面白かったです。
そして、美味しいところをほぼ上様が持ってっちゃったのも笑いました。

もっとも、英二もさすがは主役で、答えによっては世界が滅びる状況をさくっと回避してしまいました。
みんな家族とは、彼ならではの答えだなあ。

でも、「欲望」って悪いイメージが浮かぶけど、本当はそれがなかったら発展するものも発展しない、「必要なもの」でもあると思う。
ゲームの『ワイルド・アームズ2』で、「剣の聖女」が「欲望がなければ、自分は世界を救えなかった」みたいなことを言ってたと思うのだけど、この映画の英二もちょっとそんな感じかなあと。

あと、最後のところのアンクとひなが手をつなぐシーンが、ほのぼのしてよかったです。
そのあと、英二も一緒に手をつないで、なんかいいなあと、見てて顔がほころびました。

ともあれ、最後まで楽しめた映画でした。

韓国ドラマ『屋根部屋のプリンス』

少し前に、韓国ドラマ『屋根部屋のプリンス』をDVDで見たので、感想を書きます。

まず、あらすじですね。
主人公イ・ガクは、朝鮮王朝時代の世子(セジャ=王太子)。
突然亡くなった妃は殺されたに違いないと考え、三人の側近と共に、死の真相を探ります。
その途中、なぜか四人は突然、現代の韓国はソウルへとタイムスリップし、ヒロイン、パク・ハの住む屋根部屋へと現れたのでした。
一方、現代のソウルには、大手通販会社の会長の孫である、ヨン・テヨンという、イ・ガクそっくりの青年がいて、二年前から行方不明となっていました。
そのテヨンと間違えられたイ・ガクは、会長の秘書が亡くなった妃そっくりであることから、彼女と自分がこの時代でも結婚できれば、全ての真相も解明され、元の時代に戻れると考えます。そして、自らテヨンと名乗り、会長の孫としてくらすことになるのですが……。

楽しい中にもシリアスが効いていて、最後まで見飽きない、面白い作品でした。
世子様とパク・ハのやりとりとか、世子様と三人の側近たちとのやりとりとかが、見ていてすごくおかしくて、笑わずにはいられませんでした。
一方では、セナとテムの悪役ぶりに、うお~となったり。
セナに関しては、親のことがそんなに恥ずかしいのかなあと、見ていて首をひねりたくなりました。
まあ、親の職業が子供の就職等に影響する、みたいな部分はもしかしたら、韓国の社会全体としてあるのかもしれません。が、会長が彼女を頼りにしているのは、やっぱりその有能さゆえだろうになあと見ていて思ってしまいました。
でも一方ではセナは、自分の本当の親が地位も金もある人物だとわかった時、嘘をついていたから合わせる顔がない、と一緒に香港へ行くのを取りやめてしまったりもするわけで……完全には自分のしていたことを、正しいとは思ってない部分があったのかなあとは思います。
最後の方でも、テムはとにかく逃げることしか考えてなかったけど、彼女はパク・ハのために病院へ行くことを決意したわけだし、テムが逮捕されたあとも、彼のしたことを証言するために自首したわけですしね。

テムの方は、もともとの性格もあるだろうけど、テヨンの件に関しては会長も悪い気はします。
どちらも同じ孫なのに、テヨンだけをものすごく大事にして、テムに対しては冷淡だった部分があるわけで、しかもテヨンはなんでもよくできるタイプみたいだったから、テムの劣等感はきっとずいぶん刺激されていたんだろうなあと。
しかもしかも、テヨン自身は会社はどうでもよくて、絵をやって行きたいって人で。
テムからしたら、自分が必死に追い求めているものを、簡単に手に入れられる位置にいながら投げ捨てる奴って認識だろうしなあ。

そういえば、テヨンのふりをしている世子様が、会長に「もう絵はやめたの?」と問われて、「今は描かなくても写真があるから」と答えていたけど、それは違うと思いました。
いやまあ、世子様は絵になんて全然興味ないので、ここではそう答えるしかなかったんだとは思うけど。
でも、クリエイティブなことって、そういうもんじゃないから。
なので、ここでこの答えを聞いて、少しも違和感を覚えず、相手を本物のテヨンだと思っていた会長も、実際にはテヨンのうわべしか見てなかったか、「自分にとって都合のいい孫」が必要なだけだったのかもなあと今書いていてふと思いました。

ところでこのドラマ、本当の最終回は19話の方だなあと思いました。
20話は、朝鮮王朝時代の方の事件解決編で……そっちは、すごくよかったと思います。
強いて言えば、世子様は死体の顔を見てなかったからしようがないとしても、他の者たちは見てるはずなのに、なんで入れ替わりに気づかなかったんだろうと、そこが不思議ですが。
それともそれは、嬪宮(ピングン=王太子妃)とプヨンの父親が隠蔽したってことで、いいのかしら。
ともあれ、プヨンの想いが彼らを現代へタイムスリップさせ、パク・ハと出会わせ、真実をつきとめさせたんだろうなあと感じて、思わず溜息でした。
ただ、現代の方のパク・ハの分は、どう解釈していいのか、よくわかりませんでした。
いずれは意識の戻ったテヨンと出会い、彼と愛を育むことを予想させていると考えていいんかなあという気もするのですが……それにしては。
だってあれ、テヨンじゃなくって世子様の方に見えましたし。
ってか、最後の最後で、服装も世子様になってて、結局パク・ハもしくは世子様の妄想なのかなあという気も。
なんか、ずうっとすごく楽しく見て来て、19話の最後もせつなくて、20話の謎解き部分もおお~っという感じで、めっちゃ良かったのに、この最後の最後で急に「何これ、わけわからん」になっちゃって、そこがちょっとなあでした。
まあ、恋愛ドラマなんてめったに見ないので、私の解釈能力が低いだけかもしれませんが。

あと最後まで明かされなくて気になったのが、パク・ハの名前の件です。
子供のころはインジュだったのに、なんでハになったのか。
たぶん、父親が変えたのだろうけど、そしてドラマ的にはなかなか彼女と母を合わせないための策だったんだろうけど、セリフででも簡単に説明がほしかったです。

以上。
気になったところもあったけれども、全体としてはとっても楽しくてでも、ハラハラドキドキな素敵なドラマでした。
見られてよかったです。

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